24歳の若さで命を落とした昭和初期の社会活動家・伊藤千代子の生涯を映画化したヒューマンドラマ。1925年、日本政府は治安維持法を制定し、思想言論弾圧は激化の一途をたどった。東京女子大学に入学した千代子は大学内の社会科学研究会結成に参加し、科学的社会主義の理論を学ぶ。故郷・長野で製糸工場の大争議を通じて労農党の浅野晃と知り合った千代子は彼と結婚し、共に大争議を支援。労農党は初の総選挙で大躍進を遂げるが、1928年3月15日に大弾圧が行われ、千代子も検挙・投獄されてしまう。獄中のリーダーとして戦争に反対し志を貫く千代子だったが、刑務所での非人道的な扱いや、同志でもある夫・浅野の変節を知ったことで、彼女の身体と精神は徐々に蝕まれていく。新人女優・井上百合子が主演を務め、「花筐 HANAGATAMI」の窪塚俊介が千代子の夫・浅野を演じる。